ホーム > 海外の動き > 第11回世界環境教育会議(WEEC2022)結果報告
  • 欧州
  • 国連機関等
  • 会議
第11回世界環境教育会議(WEEC2022)結果報告
【情報源】
 WEEC事務局
【名称】
第11回世界環境教育会議(WEEC2022)結果報告
【開催日(期間)】
2022年3月14~18日
【主催者・協力者】
WEEC事務局、チェコ政府
【開催地(開催方法)】
チェコ共和国のプラハ(対面とオンラインの会合)
【結果概要】
今回の会合は初日だけがハイブリッド形式で会場参加とオンラインでの視聴が可能なセッションで、2日目以降は会場参加とオンライン参加はセッションが完全に分離されていました。
会議のテーマは、「Building Bridges in Times of Climate Urgency:緊急の気候行動が求められる時代のつなぎを構築する」でした。開会式では、チェコの上院議長、WEEC事務局長をはじめ、主催者や国連機関(UNESCO、UNFCCC)からの挨拶が行われました。まず冒頭にウクライナ侵攻に関連して平和と戦争終結に向けたメッセージがあり、民主主義とESD・環境教育との関係が論じられました。
また、本会議のメインテーマである気候変動教育や大学が果たすべき役割についての議論が行われ、最後にはスイスの再生可能エネルギー会社からのプレゼンテーションが行われました。初日は全体会合(Plenary Session)を視聴できましたが、2日目以降はVirtual Room A、Virtual Room Bでしか参加・視聴できず、オンライン参加者ほとんどのセッションにはライブで参加できませんでした。
後日参加者には動画が視聴できるようになるとの説明ですはが、4月2日現在、まだ初日の全体会合を含めて視聴可能になっていません。以下の点が本会議で特徴的と考えられました。

  • 全体として時間管理が不十分であり、また、頻繁に変更になるプログラムがダウンロードできなかったなど、ロジが不十分との印象でした。
  • WEEC史上初めてのハイブリッドセッションであり、初めてのオンライン・セッションであったことを考慮しても、様々な不備が目立ったことから、主催者の努力だけでは解決できない、世界をつなぐオンライン・セッションの難しさがうかがわれました。
  • 開会式では気候変動問題と合わせて多くのスピーカーが平和と民主主義について話題にしていたことが印象的でした。これはもちろんウクライナ情勢に端を発する世界の秩序の危機に対してESD関係者がどう対応するかを問うものであり、このような世界の関心を受けて、国内的にも持続可能性と世界の秩序について議論が展開されるべきとのメッセージであるとも受け取れると思われます。
  • 気候変動教育については、参加・視聴した限られたセッションでの印象は以下の通りでした。
  • 気候変動教育の重要性にも関わらず気候変動教育が学校教育に十分組み込まれていないとの問題意識は共通に得られていました。
  • 気候変動教育を発達段階に応じて体系的に進める必要性についてもたびたび指摘されました。他方、特に中等教育で重点的に取り組む必要性が強調され、Scienceと Geographyを中心とした気候変動教育カリキュラムの事例が紹介されました。
  • 気候変動教育においても、多くの発表においして、具体的な気候行動をとれるようになることの大切さと、自己効力感(self-efficacy)の重要性が強調されました。そのような自己効力感の醸成は、幼少期の教育(childhood education)から始めることが重要との指摘も行われました。
  • また、気候正義(climate justice)を気候変動教育の中心に据えるべきとの意見も表明されました。
【対象】
ESD、環境教育に関心を有する者、特に研究者
【問合せ先】
WEEC Secretsariat:secretariat@weecnetwork.org