ウクライナへのロシア侵攻は、日本による紛争解決・平和構築支援のあり方に、新たな問いを投げかけています。政府は欧米と協調した経済・外交制裁だけでなく防衛装備の供給にも踏み込みました。他方で迅速に避難民を受け入れながらも、国際法上の「難民」には当たらないとしてあくまで例外的との立場を崩していません。 この状況を考えるためにあらためて見直したいのが、長く続いたもうひとつの戦争への日本の関与です。小川玲子さんは、昨年、タリバンが政権を再掌握した後、避難を要するアフガニスタンの人々の安全な退避のために、日本の政府機関と交渉を続けてきました。難民たちの前に立ちふさがるビザの壁、家族主義の壁、定住化支援の壁は、日本による平和構築支援について何を明らかにしているでしょうか。紛争地からの難民受け入れをめぐる日本の法制度と小川さんの経験から考えてみたいと思います。

＜小川玲子さんプロフィール＞
専門は社会学、移民研究。移民政策学会理事・社会連携委員、難民参与員、千葉市男女共同参画審議会委員、NPO法人国際子ども権利センター理事など。アフガニスタンからの元留学生や在日アフガニスタン人家族の退避にもかかわる。※小川さんの活動について、より詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

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