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タウンウォッチングでエコのめを育てる

Sustainable Development:持続可能な開発。持続可能な社会をつくっていくことは、いまを生きる世代、そして将来を生きるすべての世代にとって非常に重要なテーマであることは明白である。
しかし、「持続可能な社会」と聞いて、ピンとくる大人はどれほどいるだろうか。ましてや、子どもにとっては、なかなかにイメージすることが難しいのではないだろうか。子ども達が、持続可能な社会を考えていくためのきっかけをつくるには、どのような取り組みが有効なのだろうか。
そこで、今回は、「エコロジー東備」と「備前市立伊里小学校」が連携して実践した、子ども達を対象とした地域フィールドワークである『タウンウォッチングでエコのめを育てる』に着目した。
本フィールドワークでは、子ども達が、普段何気なく過ごしている学校の周りの環境を、グループごとに「川のめがね」、「山のめがね」、「町のめがね」をかけて、地域の自然や生き物、温度やエネルギーについて調査することで、地域の環境を知り、地域の良さに気付くことができた。そして、地域の環境を守るために、自分たちに何ができるかを考えるきっかけとなった。
以下は、実施までの流れ、フィールドワークの概要とグループごとの調査内容、マッピングによる情報共有の様子である。
 
<フィールドワーク実施までの流れ>
2107タウンウォッチングPP01
 
 
<フィールドワークの概要>
江國_表1-0403
 
<グループごとの調査内容>
江國_表2-0403
 
<マッピングによる情報共有>
22107タウンウォッチングPP02
 
フィールドワークを体験した子ども達の気付きや感想としては、例えば、山の環境調査をしたグループであれば、アスファルトの道路と山の中では、山の中のほうが涼しく、昆虫などの生き物が豊富だということに気付くことができた。また、自分の持っている知識とつなげて、山を守ることは、海を守ることだと改めて気付くことができた子どももいた。
子ども達は、今回のフィールドワークを通して、地域の豊かな自然に気付くことができ、自然や環境に関する興味も高まっただろう。
今回のような取り組みの成果が出るのは少なくとも数年後のことだろうし、目に見える形ではないかもしれない。しかしながら、持続可能な社会を目指していくためには、目先の結果にとらわれることなく、地道な草の根活動こそが何よりも重要だと考える。
地元に根ざし、未来の社会のために活動を続けられている方々に敬意を表したい。

訪問先

エコロジー東備
岡山県備前市内を中心に活動している。環境学習の出前講座の講師を務めるほか、エコドライブ講習会やキャンドルナイトなどの講座やイベントを実施し、地球温暖化防止など環境保全に関する啓発活動を行っている。

記入者

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江國 友哉(岡山市立桑田中学校)
岡山市の中学校教員として、子どもたちの学びを広げたいと考え、ESDの視点を取り入れた教育実践に取り組んでいる。NPO・ICOI(国際協力研究所・岡山)、ESD日本ユース・コンファレンス(文部科学省主催)、社会人ユースESDレポーター(ESD活動支援センター主催)、ふくしまボランティア岡山隊、第4回岡山県環境教育ミーティング実行委員などの経験を通して、自身の活動領域の拡大と深化に努め、その経験を学校現場に還元し、教育の充実を目指している。