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SDGsを地域で達成していくための人づくり:ESD for 2030を見据えて
2019年12月20日(金)、12月21日(土)
本フォーラムは、全国各地から、のべ424名の方にご参加いただきました。皆様、誠にありがとうございました。
◆全国フォーラム2019パンフレット(当日配布)データはこちら(PDF:約4.7MB)
◆全国フォーラム2019 パネルディスカッション(セッション2)、総括セッション(セッション5)の動画はこちら ※YouTubeにリンク
ESD推進ネットワーク全国フォーラム(以下「全国フォーラム」)は、原則毎年1回、ESD推進ネットワークの主たるステークホルダーが一堂に集い、ESDに関する最新の国際動向、国内動向、ネットワーク形成の状況を共有するとともに、相互のつながりを構築・強化することにより、ネットワークが成長するための機会です。
2019年は、ESDに関するグローバル・アクション・プログラム(GAP)の最終年であり、GAP後継プログラムが国際的に策定される年であることを反映し、次のステップに進むための意見交換を中心としたプログラムとしました。
■主催 | ESD活動支援センター、文部科学省、環境省 | ||||||||
■共催 | 独立行政法人国立青少年教育振興機構 | ||||||||
■後援 | 日本ユネスコ国内委員会 | ||||||||
■協力 | 地域ESD活動推進拠点(地域ESD拠点)、全国規模のESD推進組織・団体及び地方ESD活動支援センター[計44件] 会津ユネスコ協会、ESD日本ユース/公益財団法人五井平和財団、IKEUCHI ORGANIC株式会社、一般社団法人あがのがわ環境学舎、一般社団法人新宿ユネスコ協会、一般社団法人地球温暖化防止全国ネット、一般社団法人長野県環境保協会、一般社団法人日本環境教育学会、一般社団法人ネクストステップ研究会、大牟田市教育委員会、岡山ESD推進協議会、岡山市京山地区ESD推進協議会、関東地方ESD活動支援センター、九州地方ESD活動支援センター、近畿ESDコンソーシアム、近畿地方ESD活動支援センター、公益財団法人AFS日本協会、公益財団法人キープ協会、公益財団法人しまね海洋館、公益財団法人水島地域環境再生財団、公益財団法人ユネスコ・アジア文化センター、公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会、公益社団法人日本ユネスコ協会連盟、こどもエコクラブ全国事務局(公益財団法人日本環境協会)、四国地方ESD活動支援センター、JICA広報室地球ひろば推進課、信州ESDコンソーシアム、地球環境パートナーシッププラザ、中国地方ESD活動支援センター、中部地方ESD活動支援センター、東北地方ESD活動支援センター、特定非営利活動法人えひめグローバルネットワーク、特定非営利活動法人大阪環境カウンセラー協会、特定非営利活動法人隠岐しぜんむら、特定非営利活動法人環境パートナーシップちば、特定非営利活動法人持続可能な開発のための教育推進会議、特定非営利活動法人日本ジオパークネットワーク、独立行政法人国立女性教育会館、日本ESD学会、認定特定非営利活動法人アクト川崎、福島工業高等専門学校、藤クリーン株式会社、北海道地方ESD活動支援センター、立教大学ESD研究所 |
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■出展 | 上記協力組織・団体及び下記8件[計52件] 独立行政法人国立青少年教育振興機構/子どもゆめ基金、文部科学省、環境省、外務省、農林水産省、消費者庁、関東地方ESD活動支援センター・地域ESD拠点協力事業(SDGs文化祭)、ESD活動支援センター(全国センター) |
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■会場 | 国立オリンピック記念青少年総合センター 全体会:国際交流棟国際会議室 分科会:国際交流棟、センター棟 |
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■参加者 | 424人(のべ人数)
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■目的 |
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2.全国フォーラム各セッションの概要
[12月20日(金)13:00-18:15]
平下 文康さん(文部科学省 文部科学戦略官(国際)/日本ユネスコ国内委員会 副事務総長)
我が国はユネスコと共にESDを推進してまいりました。SDGsが近年、民間企業やNPO、学校などでも取り入れられているという機運を活かし、ESD推進ネットワークがマルチステークホルダーの協働・連携を強めていくことを期待しています。また、皆様にも地域創生や多文化共生社会の実現に取り組みつつ、多様なステークホルダーと連携・協働しながら、地域課題や地球規模課題の解決に貢献していただければと思います。そして来年度より導入される新学習指導要領を踏まえ、ESD推進ネットワークがSDGs達成に向けて学校との連携に積極的に取り組むこと、皆様が本フォーラムから多くの成果を持ち帰りESDがより一層広まっていくことを期待しています。
中井 徳太郎さん(環境省 総合環境政策統括官)
環境省は2018年4月に、各地域が地域の実情に合わせてSDGsの達成された持続的な発展を実現する地域循環共生圏の構想を打ち出しました。ここで何より重要なポイントは人材であり、変革を推進する社会の実現には構成員の意識改革とサポートが欠かせません。一人一人の気付き、理解、行動の積み重ねを地域社会の変革の基礎力にしていくことが期待されています。
本フォーラムにおきましては、現場で活躍されている皆様の間でESD推進活動をいかに広く効果的に実施していくかの議論が深まり、活動のヒントを得ていただくことを期待し、また皆様と共に環境・経済・社会の統合的向上を図り、地域循環共生圏の創設に一緒に取り組んでいきたいと願っています。
阿部治さん(ESD活動支援センター センター長)
世界中で未曾有の気象災害が起きており、世界の若者がclimate justiceを訴えています。これは私たちに課せられている最大の課題であり、環境・経済・社会の構造の、まさに足下の環境が揺らいでいるのです。ESDはトランスフォーメーションによって持続可能な社会をめざすSDGs時代において期待されていると私たちは感じています。ESD活動支援センターは全国センター及び8つの地方センターが立ち上がり、そして地域ESD活動推進拠点(地域ESD拠点)の登録が進み、本日時点で105件の登録となっています。確実にESD推進ネットワークの基盤はできあがりつつあります。私は、SDGs推進のエンジンとしてESDがあるのではないかと思っています。このフォーラムを通して、皆様が多くの成果を持ち帰ることを願っております。
文部科学省からは、グローバル・アクション・プログラム(GAP)の成果とESD for 2030の概要、新学習指導要領のポイント、日本が海外に向けて発信している事例等の紹介が行われ、また、環境省からは第五次環境基本計画の根幹となる地域循環共生圏の考え方、ESD推進ネットワークの取組状況・成果と概要のとりまとめの状況についての紹介が行われました。
⇒スライド(PDF:約2.4MB)大杉 住子さん(文部科学省国際統括官付 国際戦略企画官/日本ユネスコ国内委員会 事務局次長)
⇒スライド(PDF:約3.6MB)三木 清香さん(環境省大臣官房総合政策課環境教育推進室 室長)
◆セッション2 パネルディスカッション:SDGsを地域で達成していくための人づくりとそのためのネットワークのさらなる展開
地域でESDに取り組んでいる教育委員会、学校、社会教育施設、自治体、企業というセクター別の実践例に学び、SDGsを地域で達成していくための人づくりについてパネルディスカッションが行われました。
【教育委員会の立場から】
『ESDへの期待と只見愛』
⇒スライド(PDF:約804KB)
齋藤 修一さん(福島県只見町教育委員会 前教育長/只見町ブナセンター長)
【学校の立場から】
『地域との関わりに学ぶ都市部の中学生』
⇒スライド(PDF:約838KB)
輪湖 みちよさん(墨田区立両国中学校 主任教諭)
【社会教育の立場から】
『自ら学びあい、動くネットワークづくり』
⇒スライド(PDF:約3.41MB)
山口 慶子さん(島根県立しまね海洋館)
【自治体の立場から】
『「とやま地域循環共生圏づくりプラットフォーム」による産学官金が連携した地域の担い手づくり』
⇒スライド(PDF:約2.17MB)
東福 光晴さん(富山市環境政策課 課長代理)
【企業の立場から】
『種からタオル』
⇒スライド(PDF:約2.02MB)
池内 計司さん(IKEUCHI ORGANIC 株式会社 代表)
及川 幸彦さん(東京大学大学院教育学研究科附属海洋教育センター 主幹研究員)
◆セッション3 グループディスカッション:地域でESDを広め、深めるための課題と工夫
参加者自身のESD実践や関心に基づき、ESD for 2030の国内実施に向けて自分事として、セクターごとにグループを形成し、ディスカッションが行われました。
⇒スライド(PDF:約2.98MB)
ファシリテーター
松原 裕樹さん(NPO法人ひろしまNPOセンター 事務局長/中国地方ESD活動支援センター)
[12月21日(土)9:30-13:00]
◆セッション4 分科会:ESD for 2030を見据えたESD推進のあり方
5つの分科会で、ESD実践に関わる話題提供を受け、テーマごとに参加者の様々な視点からESD for 2030の国内実施計画策定に向けた提案のための意見交換が行われました。
分科会1:新しい学習指導要領をふまえ社会とすすめるESD
西表の自然や伝統文化を継承、保護、発展させ、持続可能な「わったー島」づくりに向けて、主体的に行動できる児童の育成をめざして~地域と学校が学びで繋がる活動を通して~⇒スライド(PDF:約19.1MB)
居原田 晃さん(沖縄県竹富町立上原小学校 校長)話題提供②
総合学科の特性を生かした高等学校におけるESD for 2030⇒スライド(PDF:約2.88MB)
建元 喜寿さん(筑波大学附属坂戸高等学校WWL推進委員会委員長・主幹教諭(農業科)ファシリテーター
中澤 静男さん(奈良教育大学次世代教員養成センター 准教授/近畿ESDコンソーシアム 事務局長)
⇒ファシリテーターによる分科会1 報告(PDF:約124KB)
分科会2:企業がめざす地域におけるSDGs人づくり
企業が共同で取り組むESD~SDGsターゲット12.8への貢献をめざして⇒スライド(PDF:約1.85MB)
食とくらしのサステナブル・ライフスタイル研究会
坂本 眞紀さん(味の素株式会社 広報部 ダイレクトコミュニケーショングループ長)
井上 紀子さん(花王株式会社ESG活動推進部 マネジャー)話題提供②
『100ねんあそぼ』 おもちゃからはじめる次世代教育⇒スライド(PDF:5.22MB)
高林 慎享さん(株式会社タカラトミー社会活動推進課 課長)ファシリテーター
石丸 哲史さん(福岡教育大学 教授)
⇒ファシリテーターによる分科会2 報告(PDF:約97KB)
分科会3:ユースと共に進めるマルチステークホルダーの連携
ユースとしてサステナビリティを考える意義⇒スライド(PDF:約662KB)
大貫 萌子さん(慶應義塾大学 2 年/SDGs-SWY)話題提供②
岡山でのユースを巻き込んだ取組事例の紹介⇒スライド(PDF:約1.01MB)
神垣 匠さん(公益財団法人岡山県環境保全事業団 環境学習センター「アスエコ」/ESD日本ユース)ファシリテーター
飯田 貴也さん(NPO法人新宿環境活動ネット 理事・事務局長/ESD日本ユース)
⇒ファシリテーターによる分科会3 報告(PDF:約110KB)
分科会4:体験活動を提供する組織内のESD意識醸成
国立青少年教育振興機構「環境教育推進プロジェクト」⇒スライド(PDF:約941KB)
渡邊 剛志さん(国立青少年教育振興機構本部総務企画課 課長補佐)
樋口 拓さん(国立青少年教育振興機構本部調査広報課 課長補佐兼青少年教育研究センター企画室長補佐)話題提供②
伊豆半島ジオパークのESDは地域の意識変化に役立つのか⇒スライド(PDF:約1.4MB)
鈴木 雄介さん(伊豆半島ジオパーク推進協議会 専任研究員)ファシリテーター
大崎 美佳さん(北海道地方ESD活動支援センター/環境省北海道環境パートナーシップオフィス(EPO北海道))
⇒ファシリテーターによる分科会4 報告(PDF:約126KB)
分科会5:AI等の技術革新と教育・人材育成について考える
自然と人を紡ぎ直すICTの活用:リアルとバーチャルの相互補完⇒スライド(PDF:約867KB)
中村 和彦さん(東京大学大学院農学生命科学研究科 助教)話題提供②
サイエンスブリッジコミュニケーターが挑む地球規模課題の解決⇒スライド(PDF:約4.13MB)
秋永 名美さん(株式会社リバネス 創業開発事業部/リバネスシンガポール 取締役 CAO)ファシリテーター
近森 憲助さん(鳴門教育大学 客員教授)さん
⇒ファシリテーターによる分科会5 報告(PDF:約112KB)
はじめに、セッション4分科会の成果を共有し、次に、モデレーターからESD for 2030 の概要の確認がありました。
セッション2のモデレーター、セッション3のファシリテーターからそれぞれのセッションの成果の共有がなされた後、参加者間でフォーラム全体を振り返り、フォーラムの成果と今後の展望に向けた議論を行いました。ユースの参加者からは、2030年に向けてもっとやるべきことがあるとの認識が示され、他の人たちと協力しつつ一層のESDの推進に努めたいとの決意が語られました。また、企業の参加者からは、「本物に触れる」という体験分野で企業が貢献できることが多々あるのではないかとの指摘が行われ、今後の展開に向けた有益な示唆が得られました。
棚橋 乾さん(多摩市立連光寺小学校 校長/全国小中学校環境教育研究会 副会長)⇒スライド セッション5 導入(PDF:約222KB)
⇒動画はこちら ※YouTubeにリンク
フォーラム1日目 セッション2の報告セッション2モデレーター 及川 幸彦さん
⇒スライド(PDF:約856KB)
フォーラム1日目 セッション3の報告
セッション3ファシリテーター 松原 裕樹さん
⇒スライド(PDF:約534KB)
ESD、SDGsの推進において、これを担う人材育成が大きなテーマであると思いますが、それを様々なステークホルダーの皆様方が連携し、思いを一つにして一つの方向性に向かっていく、ということが非常に重要になるかと思います。その意味でも本フォーラムは、皆様方に思いを共有していただいたという点で非常に有意義な会であったと思います。私ども国立青少年教育振興機構は、国立オリンピック記念青少年総合センターをはじめ28の施設を全国に持っており、これまでも、特に自然体験活動を通じた環境教育を推進してきました。世界や日本国内のESD、SDGsの流れを担っていきたいと考えており、これからの活動の中にも一つの大きな柱としてESD、SDGsを位置づけていきたいと思っています。
全国フォーラムの会期中、メイン会場となった国際会議室およびその前室で、本フォーラムの協力組織・団体および全国規模のESD推進団体、ESD関係省庁と、主催・共催者を含む合計52件の出展があり、展示を前にした情報交換により新しいつながりがつくられる機会となりました。
本フォーラム1日目終了後に、交流会(会費制)が行われました。
1日目の総合司会を務めてくださった平野啓子さんが『枕草子』より「春はあけぼの」の語り・手話語りをご披露くださいました。
また、独立行政法人国立青少年教育振興機構 理事長の鈴木みゆきさんから、全国フォーラムの成功に向けて励ましのメッセージを頂きました。
本フォーラムにご参加いただいた皆様、開催にご協力・ご支援いただいた皆様、重ねて御礼申し上げます。