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第12回京山地区ESDフェスティバル

地域のみんなでつくり、学びあい、楽しみ、そして一つの文化として根付いてきた地域のESD事例
 
 去る2017年1月28日(土)~29日(日)の2日間にわたり、京山地区ESDフェスティバルが岡山市北区の京山公民館で開催されました。第12回目となる今回のテーマは「(E)えーものを (S)子孫の (D)代まで 感じようあたたかさ❤ 世界へはばたけ京山地区ESD」でした。
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 ESDフェスティバルは2006年より毎年開催しており、公民館を中心に小中学校、地域内の高校、大学、各種地域団体で連携し、子どもからお年寄りまであらゆる世代が楽しみながらESDに関わるための場を提供しています。また、地域に住む幼児、小学生からお年寄り、外国人、障害者がそれぞれ役割をもって各プログラムに参画しているのが特徴といえます。
 
 1日目は伊島保育園、幼稚園の園児による合唱をスタートに、とうふちくわ笛フルートの演奏、京山ESD検定、午後には岡山市長及び教育長との京山ESD対話、小中学生、高校生による総合学習の発表、地区に住む外国人との国際交流など、音楽も交えながら、老若男女楽しみ、学べるプログラムもありました。
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 その中でも「京山ESD対話」では大森岡山市長、及び菅野教育長も来席し、津島小、伊島小の児童、京山中の生徒が身近な体験や気づきから、市長に向けての提案したほか、そう学習の発表では、各学校がそれぞれ習段階に応じて、ESD的な視点を取り入れた学習の成果を発表しました。
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 2日目午前のワークショップ「地域の絆プロジェクト 世代を越えてつながるために、何ができるか」では岡山大学教育学部の学生が会全体のファシリテーションをし、中学生、高校生から高齢者まで幅広い世代が各々の意見を述べており、地域の大人も中高生からの意見に対して、率直に耳を傾けており、「世代を越えた学びあい」を感じられるワークショップでした。
 
 2日目午後はフェスティバル最大の見どころといっても過言ではない「劇団公民館☆京山」による演劇「かわのこい 希望になる樹」の公演。この活動は、関わるメンバーそれぞれに役割、活躍できるフィールドがある、経験者未経験者関係なくいろいろな苦難を乗り越えながらの継続という点においてESDの象徴とも言えます。また2009年の第4回のフェスティバルから毎回上演しており、京山公民館以外での公演も含めると公演回数は10回を超えます。これを楽しみにしている地域住民も多く、京山地区の新たな文化として根付いてきました。
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 終演後は全体会として2日間を振り返り、これからの京山地区のESD活動の方向性として京山ESD宣言を発表して閉会しました。
 具体的には12年間実践してきたように、公民館を学びの場として活かしていくことはもちろん、助成金や寄付、コアメンバーの手弁当に頼らず自助努力で活動資金を生み出し、経済的・社会的にも持続可能な地域として自立していくことを新たな目標としました。

訪問先

第12回京山地区ESDフェスティバル

記入者

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井上紘貴(岡山市京山地区ESD推進協議会)
2005年に岡山市京山地区におけるESD活動に参加。2014年2月の第1回ESD日本ユース・コンファレンスに参加、2014年11月のESDに関するユネスコ世界会議でもボランティアやオブザーバーとして参加するなど、10年以上一貫してESDに携わっている。活動の中で培ってきたものは「学びあい」、「地域への愛着」。現在は民間企業で働きながら、活動を両立させている中で、若者の参加しやすい場づくり、活動が継続できる仕組みづくりを模索している。