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インドネシア政府、学校カリキュラムへの気候変動教育の統合を推進

発表日:2025年5月14日

■ 気候変動に強い若者の育成を目指して
インドネシア政府は、気候危機への対応能力を備えた若い世代を育てるため、学校のカリキュラムに「気候変動教育(Climate Change Education, CCE)」を統合する取り組みを目指している。
環境林業省のザムザニ氏は、インドネシアの若い世代が気候変動に関心が高く、現在インドネシアが直面している気候変動の課題を解決するために、若者の意識と行動の変容が必要であると述べた。

■ カリキュラム統合は「緊急かつ重要な戦略」
ザムザニ氏は、教育と家庭での習慣形成が変革の出発点になるとし、気候変動教育を正式にカリキュラムに組み込むことを「最も重要かつ急を要する戦略の一つ」と位置づけた。
その内容は、大規模な改革ではなく、日常的な行動(例:使い捨てプラスチックの削減、公共交通の利用)から始まるべきだとされている。

■ 生徒だけでなく教員・地域も巻き込むアプローチ
初等中等教育省のシンタ氏は、このカリキュラムの重要性を強調し、教育省がUNESCOと連携しながら、生徒・教員・学校・地域社会のすべてを対象にした包括的アプローチを目指すことに言及。これにより、生徒は自発的に環境保全のための行動を起こす力を身につけるとともに、教育機関全体がその土台を支える体制が構築が求められるとした。

■ グリーン経済への道を拓く基礎教育
さらに、こうした気候変動教育は単に環境意識を育てるだけでなく、将来的にグリーン経済分野で必要なスキルを育成する基盤となり得ることについても指摘。カリキュラムによって育まれる視点やスキルが、キャリア教育や職業選択にも直結する可能性があるとした。

 

【出典】:ANTARA News(インドネシア国家通信社)
https://en.antaranews.com/news/355045/government-pushes-climate-change-education-in-school-curriculum