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発表日:2025年5月14日
■ グローバル・サウスにおける気候変動と教育の危機
気候変動が加速する中で、その影響は教育システムにも及んでいる。
バングラデシュの水没した学校、パキスタンの熱波による休校など、極端な気象現象が学習の中断を引き起こしており、特にグローバル・サウスの子どもたちが深刻な影響を受けている。
気候変動は、特に低所得国において、生計・インフラ・教育を不均衡に破壊しており、グローバル開発の大きな障害となっている。
この問題に対し、国際的な枠組み(UNFCCC、仙台防災枠組、SDGs)において気候変動教育の必要性が示されている。
たとえば、SDG4(質の高い教育)とSDG13(気候変動対策)の交差点にある教育は、レジリエントな教育の中心であり、SDG4.7は気候変動を含む持続可能な開発教育(ESD)を求め、SDG13.3は気候変動教育の強化を促している。
パリ協定第12条(2015年)は、すべての国に対し、学校教育に気候変動を組み込むことを促しており、グローバル・ストックテイク(GST, 2023年)は、教育を気候適応のカギと位置づけ、政策との強い連携を呼びかけている。
■ 「クライメート・スマート教育」という統合的アプローチ
クライメート・スマート教育(climate-smart education)は、気候変動への適応と災害への備えを学習環境に統合する新たなアプローチであり、生徒と教師の安全と学びの継続を保証することを目的とする。
多くの国々は、率先して教育セクターのレジリエンスを国家行動計画(NAPs)に取り入れ、学校の災害対応能力と気候リテラシーを強化している。
■ パキスタンと日本:協働による実践事例
パキスタンは、2010年と2022年の壊滅的な洪水によって数百万の生徒が学びを中断された経験から、気候変動対策カリキュラムに取組むリーダーとして台頭してきている。
2023年には、南アジアで初めて中学〜高校向けの気候変動カリキュラムを導入。
内容は再生可能エネルギー、洪水対策などを含む。グローバル支援プログラム「Education Cannot Wait(ECW)」も展開され、教育のレジリエンスに貢献。
【出典】
The News International(パキスタン)
https://www.thenews.com.pk/print/1309005-climate-in-the-classroom