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観光と教育の融合:世界観光デーはいかに気候変動教育を刺激するか

発表日:2025年9月27日

■ 概要
● 毎年9月27日の世界観光デーは、文化、仕事、旅行を称える日。2025年には観光部門が気候変動と大量観光(マスツーリズム)による経済的、社会的、環境的な圧力に直面していることが無視できない問題となっていることが指摘されている。この産業は世界の経済の約10%(2024年で10.9兆ドル)を占め、3億5,700万人の雇用を支えている。
● 観光は世界の温室効果ガス排出量の推定8%に寄与しており、主に航空機、クルーズ船、自動車旅行が原因。これに対処するため、2021年のCOP26で「観光における気候行動に関するグラスゴー宣言」が採択され、2030年までに観光関連の炭素排出量を半減し、2050年までにネットゼロを達成することが目標とされている。
● 観光産業は気候変動に対して非常に脆弱であり、IPCCは特に山岳地帯、沿岸コミュニティ、世界遺産でそれが顕著だと指摘している。例として、グリーンランドでは氷の融解が、コスタリカでは温暖化と観光客によるサンゴ礁の損傷が、雇用と経済を脅かしている。
● 一部の専門家は、観光を教えるツールとして気候変動教育が活用できるという考えを支持している。ヨーロッパの観光制限、縮小するスキーシーズン、死滅するサンゴ礁といった具体的な事例は、気候変動と雇用、文化、日常の選択との直接的なつながりを示す「具体的なケーススタディ」を提供できる。
● 気候変動教育の一環として観光を教えることで、次世代は観光を単なる「逃避(escape)」としてではなく、「責任(responsibility)」として捉えるようになる。学生は、今日の旅行の仕方が、明日の観光地の存続を決定づけることを学ぶことができると強調されている。

【出典】

Earth Day(EARTHDAY.ORG)
https://www.earthday.org/tourism-meets-teaching-how-world-tourism-day-can-inspire-climate-education/