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スペイン:校庭緑化と都市の健康と気候レジリエンスの向上

発表日:2026年1月15日

■ 概要

● 欧州の研究プロジェクト「COOLSCHOOLS」の成果発表:カタルーニャ・オベルタ大学(UOC)とカタルーニャ工科大学(UPC)の研究チームが主導した3年間の欧州プロジェクト「COOLSCHOOLS」の研究成果が、科学誌『Nature Climate Change』に発表された。バルセロナ、ブリュッセル、パリ、ロッテルダムの学校を対象に、校庭の緑化が気候変動への適応策としてどのような変革的影響をもたらすかを、自然科学、社会科学、教育科学の視点から多角的に分析したものである。

● 「灰色の校庭」がもたらすリスクと自然との分断: セメントや合成素材で覆われた従来の「灰色の校庭」は、ヒートアイランド現象による健康リスクを増大させるだけでなく、子供たちと自然との結びつきを弱めると指摘されている。欧州気候健康観測所のデータによれば、都市部の学校の40%で熱に関連する健康リスクが高まっており、こうした環境は子供たちが気候変動に対して責任ある行動をとる能力を育む上でも阻害要因となっているとされる。

● 「自然に基づいた気候シェルター」としての学校変革:研究チームは、学校環境を単なる遊び場ではなく「自然に基づいた気候シェルター」へと変革することを提唱している。これは、気温を下げて猛暑の影響を緩和するだけでなく、生態系の回復や質の高い教育を促進し、子供たちにより健康的で安全かつ公平な空間を提供するための不可欠な戦略であり、エコソーシャルや環境正義の観点からも重要視されている。

● 都市全体の変革を促すハブとしての役割:校庭の緑化は学校内部だけの利益にとどまらず、周辺地域や都市全体のシステムを変える可能性を秘めている。学校を開かれた公共空間として整備することで、近隣住民にも社会的・環境的な恩恵をもたらし、公園や都市インフラの再設計を促すなど、都市全体における自然への公平なアクセスを実現する機会となる。

● 予算措置要請と緊急の行動喚起:専門家たちは、次の熱波が到来し、次世代が修復不可能な都市環境を継承してしまう前に行動を起こすべきだと強く警告している。自然と共生する空間づくりは都市計画における付次的な要素ではなく「基本原則」とされるべきであり、学校環境の変革と維持のために野心的かつ十分な予算を投じるよう求めている。

【出典】カタルーニャ・オベルタ大学
https://www.uoc.edu/en/news/2026/greening-school-playgrounds-health-climate-uoc