- アジア太平洋
- 西アジア
- 欧州
- アフリカ
- 教育研究機関
- その他
カナダに拠点がある「持続可能性と教育政策ネットワーク The Sustainability and Education Policy Network (SEPN)」が中心となり、気候変動教育のモニタリング・評価プロジェクト（The Monitoring and Evaluating Climate Communication and Education (MECCE) Project）という大型国際研究プロジェクト（予算約5億円） が昨年度から始動している。本年6月から地域ハブネットワーク会合がスタートすることになり、アジア太平洋地域ではAustrasiaハブ会合が6月15日11:30～12:30にかけてオンラインで開催された。
現在、初等中等教育、高等教育や政府、市民社会、ビジネス、メディア等の分野において、効果的な気候変動教育とコミュニケーション(CCEC)に関する明確な理解が欠けている。MECCEは80以上の主要な学者や機関の野心的な国際的な研究ベースのパートナーシップでこれらのギャップに対応することとし、2020年に設立された。社会科学・人文科学研究評議会が250万ドルの資金を提供し、パートナーから200万ドルを超える貢献を受けている。MECCEの目標は、気候変動教育、訓練、国民意識の質と量の向上を通じて、地球規模の気候リテラシーと行動を進めることである。
MECCEは、以下の3つの活動を通じて、気候変動に関する行動と緩和策を推進するために活動できる人材の育成を支援することを目的とする。
・活動1: ケーススタディ: 4つの知識統合型研究 50-70のカントリー・ケース/プロファイル、30の定性的ケーススタディを通じて、質の高い気候変動教育の新しい理解を生成するように、ケーススタディのリポジトリを構築。
・活動2: 指標開発：モニタリング指標の開発とデータセットの整備を通じて、グローバルな目標設定とモニタリングの改善をサポートし、質の高い気候変動教育の数を増やす。
・活動 3: 知識の生成：、教育組織、デジタルな研究環境や対象を明確にした対話などの学習教材や、地域ハブの世界的なネットワーク、グローバルな学生ラボの会議など、本プロジェクトの調査結果を示すことにより、政府間機関及び政府の政策決定者、教育関係者に影響を及ぼす。
このプロジェクトの推進のため、5つのリージョナル･ハブ（ヨーロッパ、オーストラリア・アジア、アフリカ、カナダ、米州大陸、）が形成される。
今回のイベントは、オーストラリア･アジア（AUSTRALASIA）のハブの開始式典だった。カナダからプロジェクトの全体コーディネーターが、UNESCOバンコクその他約40名が参加し、インドの環境教育センター（Centre for Environment Education: CEE）k Kartikeya 氏の司会の下で、プロジェクトの全体像の紹介の後、それぞれの活動に関する意見交換が行われた。日本からは、地域ハブメンバーである立教大学阿部治名誉教授、東海大学二ノ宮リムさち准教授に加え、環境省、ACCU、日本ESD学会等7～8名が参加し、注目度の高さがうかがわれた。今後、わが国としてどのようにこのプロジェクトに貢献していくのか、関係者間の連携・協力が期待される。
AUSTRALASIA Regional Hub：Microsoft Word – About MECCE’s Regional Hubs (2021-05-25)
