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「アジア太平洋地域の教育2030 SDGs4の5年間の進展のレビュー」
【情報源】
Future of Learning – UNESCO Bangkok News
【名称】
アジア太平洋地域の教育2030 SDGs4の5年間の進展のレビュー
(5-Year Progress Review of SDG 4 – Education 2030 in Asia-Pacific)
【形態・形式】
報告書
【著者・講演者または発行者】
UNESCO及びUNICEF
【発行/公表時期】
2021年10月1日
【背景・目的】
アジア太平洋地域の国々における過去5年間のSDGs4の進展状況のレビュー
【概要】
UNESCO及びUNICEFのアジア太平洋地域の事務所が2021年9月に公表した「アジア太平洋地域の教育2030 SDGs4の5年間の進展のレビュー」報告書では、SDGs4はアジア太平洋地域の国々の間、また国内で等しく進展していないと指摘している。この報告書は、2015年に各国がSDGs4[Education 2030]に合意して以降、初めてアジア太平洋地域及び準地域(sub-region)のSDGs4の進展をレビューした報告書である。報告書は、近年注目を集めている2つの重要なレンズ(公平性と包摂性:equity and inclusion)を用いたレビューを行い、また、COVID-19パンデミックによる予測不能な挑戦に関する分析と修正を示している。さらに、今後の展望について政策決定者や教育関係者に向けた優良事例と勧告をハイライトしている。
報告書は、かつてないほどの多くのアジア太平洋地域の学び手が教育に参加しているとSDGs4に関する顕著な進展を明らかにしたが、ほとんどの恵まれない人々(most disadvantaged people)が取り残されたままであり、また、基本的なスキルの習熟度が向上していないために学びの危機に直面しているとも指摘している。アジア太平洋地域では2,700万人の若者が文字を読めず、その95%が南アジアに住んでいる。最も恵まれない人たちの間では、大きな不平等と差別とが残されている。彼らは、不公正な扱いや不適切な政策、公正さに焦点を当てた予算配分やデータの収集がなされていないことによる障壁に直面している。それらの障壁は、COVID-19パンデミックにより、デジタル・デバイドやデジタル・スキル習得の必要性などの面で増大している。
いくつかの国では顕著な進展が見られており、具体的な優良事例が見られ、SDGs4の達成に向けた希望となっている。SDGsターゲット4.7に関しては、アジア太平洋地域では、環境の持続可能性、健康問題、人権については多くの国で国家政策や教育カリキュラムに取り上げられた。他方、経済的な持続可能性、ジェンダー平等、平和と非暴力の文化については遅れている。
生活スキルに立脚したHIVや性教育はアジア太平洋地域のほとんどの小中学校で、利用可能なデータを用いて行われている。ただし、いくつかの国では、中等教育での公式の、あるいは追加的なカリキュラムにおいてそれらを組み込むためのさらなる努力が求められている。
生徒たち、とくに高収入の国の生徒たちは、環境問題を科学的な見地から理解する能力を示している。しかし、アジア太平洋地域の国々の中で、マレーシア、フィリピン、タイでは15歳の生徒に求められる環境科学の習熟度が相対的に低い水準である。
ESDと地球市民教育に関する知識やスキル、価値観、行動様式がより多くのアジア太平洋地域の国で教育や学習で実践されるためには、ターゲット4.7を国家の教育政策やカリキュラムにおいて主流化するための更なるコミットが必要である。
アジア太平洋地域では、わずか数か国しかターゲット4.7に関するデータを収集しておらず、このターゲットに関する国際的に比較可能なデータは大変限られている。このターゲットに関する進展をモニターするためには、ESD、地球市民教育その他の重要な概念の定義に関する手法の開発と合意がより注目される必要がある。
ターゲット4.7についてのより詳細な情報については、報告書79-82ページを参照ください。
【対象】
アジア太平洋地域の教育及びESDに関心を有する者
【入手方法・価格】
無料。ダウンロードはこちら
【問合せ先】
SDG 4 High-Level Steering Committee Secretariat
UNESCO, 7, Place de Fontenoy, 75352 Paris France
Education2030@unesco.org