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適応策ギャップ報告2021【報告書】
【情報源】
UNEP Website
【名称】
適応策ギャップ報告2021(The Gathering Storm: Adapting to Climate Change in a Post-Pandemic World)
【形態・形式】
報告書
【著者・講演者または発行者】
国連環境計画(UNEP)
【発行/公表時期】
2021年11月1日
【背景・目的】
11月1日に国連環境計画(UNEP or UN Environment)から適応策ギャップ報告2021(The Gathering Storm: Adapting to Climate Change in a Post-Pandemic World)が公表されました。世界が温室効果ガスの排出抑制を加速化させているとしても、既に顕在化している気候変動の影響への適応策は必要と強調しています。UNEP Adaptation GAP Report第6版(The Gathering Storm)は、強まりつつある気候変動影響へ世界がどう立ち向かうべきかをまとめています。
【概要】
気候変動適応策への資金提供を向上させることが緊急に必要。途上国における適応策に必要と見込まれるコストは、現在の公共部門による適応策の資金フローの5~10倍であり、そのギャップは広まりつつある。
COVID-19からの回復のための政策パッケージは気候変動への適応策への資金提供機会を失わせつつある。調査した66か国のうち3分の1以下の国しか2021年6月までに気候変動リスクに対処するためのCOVID-19対策を行っていない。一方、高額化しつつある負債への返済は、政府の歳入の減少と相まって将来の適応策への政府支出を阻害する恐れがある。
ポジティブな側面としては、気候変動への適応策は、政策や計画に組み込まれつつある。約79%の国が最低1つの国家レベルでの適応計画手段を採用している。これは2020年から7%の増加になる。適応行動の実施も、徐々にだが継続的に充実されつつある。資金支援の上位10ドナーは、2010年から2019年にかけて主として適応策に焦点を当てた2,600以上のプロジェクトに対する資金支援を行っている。
全体として、報告書は、国家レベルでの適応策の計画、資金確保、実施のためにはより大きな野心が必要としている。報告書の要約によれば、COVID-19パンデミックにも拘わらず、気候変動適応策は世界中の国の政策、計画の中に徐々に組み込まれつつあり、2020年と比べて適応計画の妥当性と効果に関する指標はポジティブな傾向にあることを示している(要約のES図1参照)。
途上国における適応策のコストと資金ニーズに関する最新の見積もりでは、以前の見積もりより高額が必要になると見込んでいる。
適応策に関する資金ギャップは2020年の見積もりより大きく、さらにギャップが拡大する傾向にある。
公共による直接投資と民間部門の適応に対する障害の除去という双方の側面から、緊急に公共部門の適応策への投資をスケールアップし、増額する必要がある。
26の途上国による適応策への投資ニーズは、農業部門:26.0%、インフラ部門:22.6%、水部門:15.2%、災害対策部門12.54% 等である(要約のES図3参照)。
適応行動は、世界的に徐々にではあるが拡大して実施されつつある。
特に途上国において、気候変動リスクの制御に失敗することのないよう、適応策の実施レベルをスケールアップする必要がある。
全体として、国家レベルでの適応への計画、資金確保、実施は、世界全体で徐々に進展し、部分的には加速化しつつある。
そのような傾向にも拘わらず、国家レベルでの適応策に関する速度と規模とは、増大しつつあるニーズと比べて十分でない。気候変動のリスクの増大により、適応策への野心を大きく変える必要がある。
【対象】
気候変動問題に関心のある全ての者(研究者、行政、企業、NPO・NGO、学校教員、市民等)
【入手方法・価格】
無料。以下のURLからダウンロード可能
https://www.unep.org/resources/adaptation-gap-report-2021
【問合せ先】
UNEP