- 国連機関等
- その他
IPCCは、2022年2月27日に第12回第2作業部会、第55回IPCC総会で第6次評価報告第2作業部会報告「気候変動2022:影響、適応および脆弱性」を決定しました。政策決定者向けサマリーがIPCC総会で採択され、振るレポートは、今後IPCC総会で検討されます。この報告では、気候変動の影響を評価し、生態系、生物多様性、地球および地域レベルの人間コミュニティを調査しています。また、気候変動に適応するための自然界と人間社会の脆弱性と能力の限界についてもレビューしています。フルレポートは3,675ページという膨大なものですが、政策決定者向けサマリーは36ページと比較的読みやすくなっています。
この報告書では、人為的な気候変動は、リスクを軽減する努力にもかかわらず、自然に危険で広範囲にわたる混乱を引き起こし、世界中の何十億人もの人々の生活に影響を与えているとし、さらに、最も脆弱な人々と生態系が最も大きな打撃を受けていると警告しています。また、世界人口の半分以上が住む都市における気候変動の影響、リスク、適応の詳細な評価を提供し、人々の健康、生活、生活、エネルギーや交通システムを含む財産や重要なインフラが、熱波、嵐、干ばつ、洪水による危険、海面上昇を含む緩慢な変化により、ますます悪影響を受けていると報告しています。
既に政府(環境省、外務省、気象庁、経産省)により、報道発表と報告の概要が公表されています。
AR6 WG2 政策決定し者向け要約:https://www.env.go.jp/press//files/jp/117548.pdf
観測された影響及び予測されるリスク、適応策と適応を可能にする条件、気候にレジリエントな(耐性のある)開発 について論じています。
- 人為起源の気候変動は、極端現象の頻度と強度の増加を伴い、自然と人間に対 して、広範囲にわたる悪影響と、それに関連した損失と損害を、自然の気候変動 の範囲を超えて引き起こしている。開発と適応の努力の中には、脆弱性を低減させるものもある。複数の部門や地 域にわたり、最も脆弱な人々とシステムが不均衡に影響を受けていると見受けら れる。気象と気候の極端現象の増加により、自然と人間のシステムはそれらの適 応能力を超える圧力を受け、それに伴い幾つかの不可逆的な影響をもたらしてい る。
- 気候変動に対する生態系及び人間の脆弱性は、地域間及び地域内で大幅 に異なる。これは、互いに交わる社会経済的開発の形態、 持続可能ではない海洋及び土地の利用、不衡平、周縁化、植民地化等の歴史的 及び現在進行中の不衡平の形態、並びにガバナンスによって引き起こされる。約33〜36億人が気候変動に対して非常に脆弱な状況下で生活し ており、また、大部分の種が気候変動に対して脆弱である。人間及び生態系の脆弱性は相互に依存しており、現在の持続可能ではない開発の形態によって、生態系及び人々の気候ハザードに対する 曝露が増大している。
その他、より詳細な内容については上記要約をご覧ください。