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ボン気候変動会議【結果報告】
【情報源】
IISD Knowledge Hub, ENB Bonn Climate Conference Summary Report etc.
【名称】
ボン気候変動会議【結果報告】
【開催日(期間)】
2023年6月5~15日
【主催者・協力者】
国連気候変動枠組条約事務局
【開催地(開催方法)】
ドイツ、ボン
【結果概要】
アラブ首長国連邦ドバイで11月30日から12月12日にかけて開かれる気候変動枠組条約COP28に先立つ最後の補助機関会合(「科学技術に関する補助機関会合(SBSTA)」と「実施に関する補助機関会合(SBI)」)が6月5日~15日にかけて開催されました。COP28に向けた様々な課題について議論が行われ、一部成果があがりましたが、多くの課題がCOP28に積み残されました。
主な議論は、グローバル・ストックテイク(GST:パリ協定の目標等の世界全体の実施状況の評価)、緩和策、適応策、パリ協定第6条市場メカニズム、ロスと&ダメージ等について行われました。多くのグループおよび国が会議の成果について失望感を表明しましたが、「公正な移行経路に関する作業計画」に関する議論は実り多いものであったとの指摘もされています。この会議については、環境省から以下の通り発表が行われています。
https://www.env.go.jp/press/press_01746.html
結果報告:https://www.env.go.jp/content/000142026.pdf
会議の結果の要約や日本が関係するイベントについて解説していますが、核心部分の議論の経過については説明されていません。IISDのナレッジハブやEarth Negotiations Bulletin (ENB)では、会議の様子が臨場感を持って報告されています。
今回の会議の大きな特徴の一つは、議題が最終日の前日まで合意できなかったことです。そのため、議論の成果が報告書としてまとめることができるかどうかが深刻な問題になりました。議題の採択に関する主な論点は、緩和の野心及び実施作業計画(MWP)を議題項目に含めるかどうか、パリ協定に沿った先進国からの財政支援を緊急に拡大することに関する途上国からの対案を議題に含めかどうかでした。最終的に議題は採択されましたが、これらの項目は議題から外れたため、議論をまとめた非公式ノートをSB議長が作成しました。また、私にとっては意外でしたが、IPCCの調査結果の承認についても白熱した議論が行われました。途上国、先進国を問わず、多くのグループ及び締約国は、第6次評価報告書(AR6)を「これまでで最も強固で包括的な評価」と強調しました。しかし、ある途上国が合意を支持しつつも、知識のギャップを強調し、IPCCメンバー間の論争に言及した結果、決定ではAR5以降の気候変動に関する科学的理解の著しい進展を認識しつつ、とりわけ国境を越えたリスク、異なる排出指標の政策的含意、公平性の考慮などに関連する知識のギャップ及び研究ニーズを指摘することとなりました。これに対し、多くのグループおよび締約国が、AR6に関する決定が「弱い表現」になったことに懸念を表明しました。
なお、IPCCは、AR6をわかりやすく解説したビデオ(約10分)を作成、公表しています。英語ですが、大変分かりやすい話しぶりであり、英字の字幕もあるので、多くの方が視聴されることをお奨めします。
主な議論は、グローバル・ストックテイク(GST:パリ協定の目標等の世界全体の実施状況の評価)、緩和策、適応策、パリ協定第6条市場メカニズム、ロスと&ダメージ等について行われました。多くのグループおよび国が会議の成果について失望感を表明しましたが、「公正な移行経路に関する作業計画」に関する議論は実り多いものであったとの指摘もされています。この会議については、環境省から以下の通り発表が行われています。
https://www.env.go.jp/press/press_01746.html
結果報告:https://www.env.go.jp/content/000142026.pdf
会議の結果の要約や日本が関係するイベントについて解説していますが、核心部分の議論の経過については説明されていません。IISDのナレッジハブやEarth Negotiations Bulletin (ENB)では、会議の様子が臨場感を持って報告されています。
今回の会議の大きな特徴の一つは、議題が最終日の前日まで合意できなかったことです。そのため、議論の成果が報告書としてまとめることができるかどうかが深刻な問題になりました。議題の採択に関する主な論点は、緩和の野心及び実施作業計画(MWP)を議題項目に含めるかどうか、パリ協定に沿った先進国からの財政支援を緊急に拡大することに関する途上国からの対案を議題に含めかどうかでした。最終的に議題は採択されましたが、これらの項目は議題から外れたため、議論をまとめた非公式ノートをSB議長が作成しました。また、私にとっては意外でしたが、IPCCの調査結果の承認についても白熱した議論が行われました。途上国、先進国を問わず、多くのグループ及び締約国は、第6次評価報告書(AR6)を「これまでで最も強固で包括的な評価」と強調しました。しかし、ある途上国が合意を支持しつつも、知識のギャップを強調し、IPCCメンバー間の論争に言及した結果、決定ではAR5以降の気候変動に関する科学的理解の著しい進展を認識しつつ、とりわけ国境を越えたリスク、異なる排出指標の政策的含意、公平性の考慮などに関連する知識のギャップ及び研究ニーズを指摘することとなりました。これに対し、多くのグループおよび締約国が、AR6に関する決定が「弱い表現」になったことに懸念を表明しました。
なお、IPCCは、AR6をわかりやすく解説したビデオ(約10分)を作成、公表しています。英語ですが、大変分かりやすい話しぶりであり、英字の字幕もあるので、多くの方が視聴されることをお奨めします。
このビデオから、IPCCの見解と日本政府の方針とのギャップが理解できるようになると思います。
COP28での「最初のグローバル・ストックテイク(GST)」の議論には大きな期待が寄せられています。GST技術対話の共同議長は、GSTには170,000ページの情報が供給され、特にグローバルカフェ・セッションにおいて、締約国と非締約国の利害関係者がさまざまな問題に取り組むことができたと述べています。GSTに関する議論の多くは、GSTアウトプットに関連する要素を開発するワークショップで議論されるべき「概要の要素」に焦点を当てたものでした。締約国は「示唆的な」構造草案が資金に言及すべきかどうか、またどのように言及すべきかについて意見が分かれました。一部の先進国は「実施及び支援の手段」の前に「資金フロー」を概要に含めるべきだと主張し、多数の途上国は、成果は野心のギャップに対処し、「資金フロー」ではなく「実施及び支援の手段」に焦点を当てるべきだと示唆しました。会議の結論として、この部分に対する4つのオプションが含まれました。本件に関する詳細について知りたい場合には、上記のENB Summary Reportをご覧ください。
その他、以下のような点が指摘されています。
損失と損害について、サンティアゴネットワーク事務局のホストの推薦に関し、合意が得られませんでした。
適応に関するグローバル目標の達成を導くための枠組みの開発、その達成における全体的な進捗のレビューを進められませんでした。
【対象】
気候変動問題に関心を有する全ての者
【報告資料】
【問合せ先】
気候変動枠組条約事務局、IISDのENB担当