SDGsサミット（正式名称はUN Political Forum on Sustainable Development）の初日には、議長（今回の国連総会議長が担当）による開会、議題の採択や6つのリーダーズ・ダイアローグの共同議長（Co-moderators）の選出等の事務的な事項の後、国連総会議長、国連事務総長、2024国連経済社会理事会議長によるステートメントが行われました。

国連総会議長は、COVID-19、気候変動、ウクライナの戦争によりSDGsの進捗に遅れが生じていること、最も弱い(vulnerable)人々が最も影響を受けていること、そのような状況を見過ごすことはできないことを指摘し、SDGs達成に向けて必要な資金調達を加速しなければいけない、また、強力な政治宣言の採択が次のステップの始まりになると強調しました。

国連事務総長は、ターゲットの15%のみが順調であり、残るターゲットの一部はむしろ後退している点、特に途上国におけるSDGs進展が重要である点を指摘し、パブリックセクターだけでなく、プライベートセクターの投資が不可欠であると強調しました。また、以下の6つの分野での緊急の変革（immediate transition）が必要であると指摘し、今が行動の時と強調しました。
① 飢餓、②再生可能エネルギー、③DX、④質の高い教育システム、⑤雇用、⑥生物多様性の保全

2024経済社会理事会議長は、気候変動の脅威、デジタル・デバイド、ジェンダー不平等などの脅威を指摘し、政治宣言は緊急の行動へのコミットメントであること、多国間主義が解決策になることを強調しました。

その後、SDGsサミットとして政治宣言（正式名称はPolitical Declaration of the high-level political forum on sustainable development convened under the auspicious of the General Assembly）を採択し、国連総会で決議されるよう国連総会に提出することとされました。政治宣言（英文）は、以下のURLからダウンロードできます。
https://documents-dds-ny.un.org/doc/UNDOC/LTD/N23/261/94/PDF/N2326194.pdf?OpenElement

政治宣言採択文書は、12ページで、決議案と政治宣言案から構成されています。政治宣言案は以下の3章、全43パラグラフです。
– 私たちの共通の約束：Our shared commitment
– 私たちの変化した世界 –　進展と残されたギャップと挑戦：Our changed world – Progress and remaining gaps and challenges
– 行動への呼びかけ – 2030年に向けた私たちの世界の転換へ： Call to action – turning our world towards 2030

政治宣言では、最後に、今回のレビューの成果を2030アジェンダの達成に向けたさらなる強化やフォローアップに活用すること、2024年の未来のサミット（Summit of the Future）が2030アジェンダとSDGsの実施の加速に向けた重要な機会となるへの期待を表明し、2030アジェンダのビジョンとSDGsの達成に向けて具体的、統合的で的を絞った政策、行動の進展のための共通の努力、政策的意思、確固たる行動をとることを約束するとしています。

初日には、その後、島嶼国や若者グループのステートメントが行われた後、4つのリーダーズ・ダイアローグが行われました。
それらのセッションの動画は、国連のウェブキャストで視聴できます。それらの動画は、英語字幕を付けることができます。