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カメルーンの海洋科学者がマルセイユで科学的なダイバー訓練受講

【発表日】2025年6月30日

2025年6月9日から13日にフランスで国連海洋会議(UNOC2025)が開催された。
この会議に参加したカメルーンの3名の海洋科学者は、マルセイユ市で科学ダイバーとしての訓練を受けるために滞在を延長した。
彼らの目的は、カメルーンで最大の海亀の巣作りや餌場の一つであるマニャンゲ・ナ・エロンボ-カンポ国立公園(Manyangé na Elombo-Campo National Park)を守るための知識と経験を得ることである。

海洋科学者の一人でアフリカ海洋哺乳類保護機関(AMMCO)の会長でもあるアリスティッド・タクーカム・カムラ(Aristide Takoukam Kamla)氏は、訓練の必要性について
「私たちは生物多様性を失いつつあるだけでなく、地域社会も食糧危機のリスクにさらされています。
漁獲資源も消えてしまう可能性があります。
したがって、私たち市民社会の責任として海洋や沿岸生態系を保護するために政府を支援する必要があります。」とコメントした。

彼ら3名の海洋科学者はフランスのセプテントンリオン環境研究所(Septentrion Environnement Institute)の専門家の指導のもとで訓練を受けた。
訓練は①海洋種の特定、②水中サイトのマッピング、③規制や枠組みの理解、④必要物資やその物流に関する知識の習得と多岐に及んだ。

カメルーン国内で活動する環境団体「Tube Awu」でコーディネーターとして活動するザビエル・ンジャモ(Xavier Ndjamo)氏は、
「私たちはカメルーンで訓練を受けた初めての科学者ダイバーです。カメルーンの海洋環境を探査するための科学的ダイビングプロジェクトを開始しました」とコメントした。

カメルーンにおいて子供たちや地域コミュニティに対する環境教育を通して活動する団体AMMCOのカレル・シンディ・ナンガ(Karel Cyndi Ngnah)氏は、
「私は水中での科学研究に参加できるよう、ダイビングスキルの向上を通して海底の地図作成や、カメルーンの重要な生物多様性サイトの特定に貢献したい。」とコメントした。

ダイビングは、安全面に対する徹底した知識を必要とする高度に規制された活動である。
その為、3名の海洋科学者は救助と緊急避難技術について入念に訓練を受けた。
彼らは今後、訓練で身につけた技術を元にカメルーンにおいて実践的な活動を行う。

セプテントンリオン環境研究所の科学ダイビング責任者であるカーラ・ディ・サント(Carla Di Santo)氏は、
「私たちはカメルーンのエボジェの現場で活動を実施した場合を想定して、安全対策および医療避難プロトコルについて詳細に説明しました。」と語り、彼らが実際に活動する中で起こりうる有事の際の緊急避難を体験できたことを振り返った。

今後、訓練を受けた海洋科学者達はカメルーンにおいて、その知識と経験を活かして生物多様性を保護する体制を着実に整備していく。
カメルーンが国家として海洋保護への国際的なコミットメントを強化する中で、ダイビングの経験を有した海洋科学者たちによって、カメルーン国内の海洋公園において効果的な保護体制構築という恩恵を受けることになる。

【出典:Africanews.】
https://www.africanews.com/2025/06/30/cameroonian-marine-conservationists-trained-as-scientific-divers/