ホーム > 海外の動き > ワシントン条約(CITES)第20回締約国会議の結果報告
  • 西アジア
  • 国連機関等
  • 政府
  • 会議
ワシントン条約(CITES)第20回締約国会議の結果報告

令和7年11月24日(月曜日)から12月5日(金曜日)まで、サマルカンド(ウズベキスタン)において、「ワシントン条約(CITES)第20回締約国会議」が開催され、野生動植物の種の国際取引を規制する附属書掲載提案等が議論されました。

1. ワシントン条約とは
ワシントン条約(CITES*: 絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)は、野生動植物の国際取引の規制を輸出国と輸入国とが協力して実施することにより、絶滅のおそれのある野生動植物の保護を図ることを目的としています。
*CITES: Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora

2.開催日程及び場所
日程:令和7年11月24日(月曜日)から12月5日(金曜日)まで
場所:サマルカンド(ウズベキスタン)

3.出席国等
締約国等(163か国及びEU)、国際機関、NGO等

4. 我が国からの出席者
信夫 隆生(しのぶ たかお)水産庁次長、川島 哲哉(かわしま てつや)漁場資源課長ほか、林野庁、外務省、経済産業省、環境省及び関係業界の関係者

5.主な議題(水産関係)の結果概要
EUによるウナギ属全種の附属書IIへの掲載提案が、11月27日(木曜日)に行われたワシントン条約締約国会議第1委員会において【賛成35、反対100】で投票国の1/3を上回る反対により、否決されました。
この第1委員会での投票結果(否決)が、12月4日(木曜日)の全体会合に報告され、同提案の否決が正式に決定されました。

【主な附属書掲載提案(水産関係)の採決結果】
1 ウナギ属のウナギ類16種の附属書Ⅱ新規掲載(提案:EU及びパナマ共和国)
● 11月 27 日第1委員会 【否決】 賛成 35 票(日本は反対) 反対 100票 棄権8票
● 12月 4 日 全体会合
【第1委員会の結果を採択】
○ウナギ属全種の附属書IIへの掲載提案は否決されました

2 熱帯域に生息するナマコ類(クリイロナマコ属)の附属書Ⅱ新規掲載(提案:EU)
● 11月 27日 第1委員会 【否決】 賛成 50 票(日本は反対) 反対 76 票 棄権9票
● 12月 4 日 全体会合 発効を24カ月後ろ倒しにするモナコの修正提案【否決】 賛成 59 票(日本は反対) 反対 72 票 棄権8票

3 ヨゴレの附属書IIから附属書Iへの移行掲載(提案:パナマ共和国等20か国)
● 11月 27日 第1委員会 【可決】 賛成 110 票(日本は反対) 反対 22 票 棄権6票
● 12月 4 日 全体会合 【第1委員会の結果を採択】

4 イトマキエイ科のエイ類の附属書IIから附属書Iへの移行掲載(提案:エクアドル等16か国)
● 11月 28日 第1委員会
(1)2種のみを移行するインドネシアの修正提案【否決】 賛成17票(日本は棄権) 反対108票 棄権10票
(2)エクアドル等による元の提案 【可決】(コンセンサス)
(日本は反対を表明したものの最終的にはコンセンサスをブロックせず)
● 12月 4 日 全体会合 【第1委員会の結果を採択】

5 ジンベイザメの附属書IIから附属書Iへの移行掲載(提案:モルディブ等17か国)
● 11月 27日 第1委員会 【可決】 (コンセンサス)(日本は反対を表明したものの最終的にはコンセンサスをブロックせず)
● 12月 4 日 全体会合 【第1委員会の結果を採択】

6 アイザメ科の深海性サメ類の附属書Ⅱ新規掲載(提案:英国、EU等11か国)
● 11月 28日 第1委員会 【可決】 賛成 113 票 (日本は反対) 反対 19 票 棄権6票
● 12月 4 日 全体会合 【第1委員会の結果を採択】 ※本提案はCoP終了後18カ月後に発効予定

7 イコクエイラクブカ及びホシザメ属のサメ類の附属書Ⅱ新規掲載(提案:ブラジル等5か国)
● 11月 27日 第1委員会 【可決】 (コンセンサス)(日本は反対を表明したものの最終的にはコンセンサスをブロックせず)
● 12月 4 日 全体会合 【第1委員会の結果を採択】 ※本提案はCoP終了後18カ月後に発効予定

8 熱帯域に生息するナマコ類(Holothuria lessoni)の附属書Ⅱ新規掲載(提案:EU)
● 11月 27日 第1委員会 【可決】 (コンセンサス)(日本は反対を表明したものの最終的にはコンセンサスをブロックせず)
● 12月 4 日 全体会合 【第1委員会の結果を採択】※本提案はCoP終了後18カ月後に発効予定

9 ミダノアワビの乾燥標本の附属書Ⅱ新規掲載(提案:南アフリカ)
● 提案取り下げ
※ 附属書改正提案は、出席し、かつ投票する国(賛成・反対票の合計)の3分の2以上の賛成で可決。
※ コンセンサスで合意された提案及びイトマキエイ科のインドネシアによる修正提案を除き、水棲種の附属書掲載提案の投票はいずれも秘密投票で実施された。

(参考)
「ワシントン条約(CITES)第20回締約国会議」の結果について
https://www.jfa.maff.go.jp/j/press/sigen/251205.html

「ワシントン条約(CITES)第19回締約国会議」の結果について
https://www.jfa.maff.go.jp/j/press/sigen/221128.html

「ワシントン条約(CITES)第18回締約国会議」の結果について
https://www.jfa.maff.go.jp/j/press/sigen/190829.html