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フィジー:Time to teach survival

発表日:2026年1月30日

■ 概要
● 「生存」のための知識としての教育:太平洋諸国の学校において、気候変動教育はもはや単なる選択科目ではなく、生存に関わる喫緊の課題となっている。フィジーの教育専門家テメシア・トゥイカウミア氏が指摘するように、現地の生徒たちにとって気候変動は未来の予測ではなく、洪水やサイクロン、沿岸浸食といった形で日常的に直面する「現在」の現実であり、科学的な知識以上に「生き残るための知識」として不可欠である。
● カリキュラム統合の遅れと構造的な課題:気候変動の影響が深刻であるにもかかわらず、教育システムへの完全な統合は進んでおらず、地理や理科といった教科の一部で断片的に扱われるに留まっているのが現状。サモアなどの例に見られるように、気候変動教育が一貫して行われておらず、学校や教師個人の熱意、時間、あるいは外部資金に依存してしまっているという、「システム」としての弱さが地域全体の課題として浮き彫りに。
● 教師への負担:国家カリキュラムの改訂には多大な時間と計画が必要である上、教師自身の知識不足や教材の欠如といった現場の課題が山積。さらに、COVID-19や災害からの回復期において、読み書きや計算、就職支援といった基礎的な教育ニーズの優先順位が高まるため、気候変動教育は必須事項ではなく、後回しにされがちであるという厳しい現実がある。
● 先住民の知識を活用した実践的アプローチ:こうした課題に対し、新しいコースを一度に創設するのではなく、既存の教科全体に気候変動のトピックを徐々に組み込む現実的な方法が模索されている。特に、太平洋の人々が伝統的に持っている土地や海洋保全に関する「先住民の知識」を活用し、地域社会と密接に結びついた実践的な教育を行うことが、子供たちが自分事として学ぶための最も効果的な方法であると強調されている。
● 法整備と心理的なレジリエンスの構築:フィジーでは「2021年気候変動法」によってその重要性が法的に整備され始めている。子供たちが沿岸浸食や災害といった現象を正しく理解できるようになることは、未知への恐怖を軽減し、対策への自信を育むことにつながるため、トンガやバヌアツなどでは防災(DRR)学習とも組み合わされ、国家存続のための戦略の一部となっている。

【出典】:Islands Business
https://islandsbusiness.com/news-break/time-to-teach-survival/