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未来へつながる学びの場をつくる

「ワカモノ」「ひとりひとり」が、日常の中にある“ちいさなコト”をGlobalな視点と“ツナグ”。
 
SDGsの実現を目指すためには、ESDでの学び合いが不可欠である
 自分の暮らすまちの環境や抱えている問題、日本や世界の課題に関心を持っている人はどれだけいるだろう。あらゆる課題が“他人ごと”になっていないだろうか。関心のある人だけで未来をつくれるのか。
 私たちの日常の“ちいさなコト”が世界の課題につながっていることに気づき、「ひとりひとり」ができることを共に学び、考え、行動を起こすための17のメッセージを「ワカモノ」に伝えたい。
 全国フォーラム第1部では、国連広報センターによるSDGs(持続可能な開発目標)が目指す世界についての講演があり、教育の重要性について考える学びの場となっていた。
 
 日々の暮らしの中で何を学び、どう暮らせば、“誰も置き去りにしない”公正な社会ができるのか、世界規模の目標をどうやって地域とつなげるか、別世界のコトとは思わずに“自分ごと”として捉えるために必要な教育とはなにか。
「ESD推進ネットワーク全国フォーラム2016」には、同じ思いを持つ「ワカモノ」と「実践者」が集い、学び合い、グローバルな課題と地域を“ツナグ”出会いの場があった。
 ひとつひとつの目標にストーリーがあると気づいたら、未来を担う「ワカモノ」はどう変わるのか、「ひとりひとり」はどう変わらなければならないのか。
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“アクション”を起こそう
 世界の問題と私たちの暮らしや地域にある課題をどうやってつなげられるのか。
 フォーラムの中で話されていた「消費者教育」は、SDGsの目標12「つくる責任つかう責任」とつながっている。私たちの暮らす現代社会にはたくさんのモノが溢れているが、たくさんのモノに囲まれている暮らしは本当に豊かなのだろうか?その豊かさは自分自身の豊かさであり、他者に影響を与えていないだろうか。つまり私たちの消費は、世界の貧困問題や環境問題に影響を与えている、ということに気づかなければならない。そして、私たちは消費者の一人として、環境と人とのつながりの大切さを考え、ちいさなことから行動を起こし、消費のあり方を見直さなければならない。
 私たちができるアクションの一つは、モノを買うときに“だれが・どこで作り・原材料、エネルギーは何か・なぜ買うのか・本当に必要なのか”など、環境や労働者に与えている影響を考え、 “流行っているから、安いから” そんな思いを見つめ直すことではないだろうか。そして、理由もなくモノを持ちすぎる必要はないのだから、たとえ状態が良くないモノだとしても再利用すること。再利用することでそれらは再び資源となり、廃棄物の排出量を減らすことができる。
 だから私はchange makerとしての一歩を踏み出すために、“ちいさなこと”から学び、未来を変える行動をしようと思う。もちろん、誰か一人だけがアクションを起こし続けるだけではなく、私たち消費者の「ひとりひとり」が、消費のあり方を見直し、効率的にモノを利用しなければならない。そして、モノを作り、販売する企業は環境課題や労働問題と向き合った行動が必要である。大量に消費され、破棄されることは、持続可能な社会に繋がらないと気づいたら、暮らしを見直してゆく。
 人と環境、消費と環境、企業と環境のようにすべてはつながっているのだから、決して他人事ではない。日々の暮らしを見つめてゆくちいさな行動や、「ひとりひとり」の努力や工夫が持続可能な消費となり、持続可能な社会へつながってゆくのではないだろうか。
 それぞれの意識や行動を変えなければ、未来の環境は損なわれてしまう。
 
“地域の実践者”から学ぶ 
 日本の地域にはESDの取り組みは多くあり、幅広い視点から実践者たちは持続可能な社会へ向けた行動を起こし、繋がりを広げようと活動している。
 それぞれの暮らす地域にある、様々な課題に気づくためには、企業、地域の中にも学びの場が必要とされている。フォーラムの中で行われた“えんたくん”を使ったグループワークでは、実践者とワカモノの学びの場となり、持続可能な未来への思いを共有し合った。その中で、ESDにとって重要な存在は“ワカモノ”だと感じている人が多くいた。期待に応えようと学ぶワカモノがいる一方、まだESDやSDGsに関心のない人が多くいる中で、どのようにして同世代からワカモノたちの心を動かすような学び合いの場を発信し、関心を広げていくことができるのかを考える必要があると感じた。
 地域にある課題はグローバルな課題と深く繋がっていることに気づき、決して他人ごとではないということに気づかなければ、私たちの地域や地球は持続していかないのではないだろうか。
 
 今回のフォーラムでは、様々なネットワークが繋がり、それぞれの地域からESDを発信するための学び合いがあった。持続可能な社会をつくるには、未来の課題に気づき、それに応えようと学び合い、行動を起こすことが大切である。そして、この学び合いと行動には、立場や国や地域が違っても“ひとりひとり”の視点からの気づきが何よりも欠かせないことなのではないだろうか。

訪問先

ESD推進ネットワーク全国フォーラム2016

記入者

齊藤 美悠(一般財団法人 北海道国際交流センター)