<後編> ~マイケルの曲に見る「持続可能性」とは~
(前編)ESDのS(持続可能性)は、風化させないこと。思いをつなぐことから はこちら
「あいち・なごやESDフェスタ」(2014年)でのMERRY ESD STAGE(山際さん提供)
(山際) ESDって、マイケルの楽曲にある「ヒューマン・ネイチャー」の考え方に基づいていると思うんです。
この曲にはいろんな解釈があるのですが、奥深くに「人間の本質」について禅問答するマイケルが垣間見られて、この考え方自体がESDらしいと思います。
文明と野生の中で、どこまでが人間らしい、自分らしいのかということを思い出させてくれる。
(腰塚) 柔らかなメロディーでお気に入りの曲でした。タイトルを直訳すると「人間の性」や「人間の本質、本能」。
歌詞を見ると、一見何を言っているかよくわからないのですが、確かに「Why? Why?」と自問自答を繰り返すようですね。
(山際) 僕は、あまり自分たちの活動をESDと結びつけようと意識はしてこなかったのですが、「福祉施設でマイケルダンス」をする「MJ LIFE」というボランティア活動で大賞をいただいたことでご縁がありました。
また、2014年には「アースデイ with マイケル」として、名古屋のマイケルファンとESD世界会議でスピーチ、パフォーマンスをしたこともあります。
(腰塚) その映像、拝見させていただきました。とにかく、連帯感があって、動画だけでも、エンパワメントされました。一緒に活動していたクルーの一人が始められたというのもすごいことですね。
(山際) いつかこんな形で、教室でも「マイケルESD」ができたら嬉しいですね。
リオデジャネイロのコメディアン「castro brothers」によるYoutube 動画 (https://www.youtube.com/watch?v=X0m_x1_i-eY)
(腰塚取材後記)
「自分らしく生きるのって難しい」、そうつくづく思ってきて、大人になった今も何が「自分らしさ」か、時折自問自答してみないと分からなくなるほど。
そんな時、自分を解放してくれるものの一つが「ダンス」だと気づくことが度々ありました。
私はパフォーマーにはなれないし、熱狂的なファンではありませんでしたが
「自分らしく生きる」とは何かと向き合う、そんな部分でも、深くマイケル・ジャクソンに共感したのかもしれません。
2014年には「Let It Go」という曲で「ありのままの」というフレーズが流行りましたが、大人はもちろん、子供たちまでありのままに生きられない社会になったら、窮屈だと思います。
環境や平和といった大きなテーマだけでなく、「自分らしくいること」もまた、マイケル・ジャクソンの姿勢や楽曲、そして死後も後を絶たないフォロワーの姿から学べる考え方の一つです。
(山際さんからのメッセージ)
マイケル・ジャクソンは世界中の誰でも知っていて、「よりよい世界にしよう」という強いメッセージにあふれています。
彼は、本気で世界を変えようと行動していたけれど、俗っぽくて、突っ込みどころもたくさん(笑)。
ボランティアとか、社会活動とか、どうしても自分の幸を削って分け与えるイメージがありますが、マイケルで「ポップ」に楽しみながら、よりよい世界にしてゆけるのではないでしょうか。
歌とかダンスとか演奏は、音楽は人間の原始の衝動、語りや文章以上に訴えるものがある。
とりわけ、ダンスには言葉を超えた不思議な力があります。たくさんの人が歌って踊って一つになれる。
今のようなソーシャルメディアの時代が、この非言語コミュニケーションをより効果的にしていると思います。
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<特別編> 誰でも体現できる「ポップ」が教えてくれること。
「ダンスにはパワーがある。」
昨年から今年にかけ、この目で、メディアで、数々のダンス・パフォーマンスを見て、それを実感する機会に多く恵まれた。
SDGsのアイコンとともに、国境を越えて伝わるボディ・ランゲージが、ニュースやSNSを介して広がっていった。
初めて参加した国際会議の舞台で、踊り子の踊る曲に合わせて、観客が拍手喝采する様子に「私も踊りたい」と思わずにはいられないエンパワメントを体感した。
今度は「ダンス」を軸に、マイケル・ジャクソンと山際さんの出会いを、2009年のマイケルの逝去と「THIS IS IT」という1つの分岐点まで振り返った。
これは、ダンスの得意な山際さんならではの「ヒストリー」である。
「ポップ」は誰でも体現できると言っても、読者の皆さんの中には、すぐにダンスを踊るのは無理、と諦めてしまう方もいるだろう。
力量を問わず、誰でも参加できるダンスがあったなら・・・
【7年越しの「THIS IS IT」~マイケルやもさんが教える「マイケル事始め」 】
Supported by GEOC
(腰塚)「マイケル事始め」にあたり、準備すべきものはなんでしょうか。
・動きやすい服
・マイケルらしいと思う靴
・ハット ※あれば
・愛
(山際) これだけは、っていうのはやっぱり「愛」ですね。
誰でも体現できる「ポップ」が教えてくれること。と題した本レポートの締めくくりに、誰でもマイケル・スピリットを体現できる「THIS IS IT」のポーズを教えていただくことができた。
「愛が大事だということを世界に思い出させよう。そして、地球を大切にしよう。」
Remind the world that Love is important.
And take care of the planet.
―映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT(2009)』より
訪問先
山際 伸二郎 /マイケルやもHP
http://michaelyamo.com
自然農園マイラブファーム・HP
http://mylovefarm.jp
書籍「マイケル・ジャクソンの言葉」
http://www.amazon.co.jp/dp/4594072585
記入者
腰塚 安菜(オーガニックライフスタイリスト)
1990年生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。オーガニックライフスタイリスト。
日本第一号オーガニックコンシェルジュ岡村貴子氏のもと日本最年少(18歳)で資格を取得。2010年、オーガニックライフスタイリストの認定を受ける。
2011年、末吉里花氏主宰の「フェアトレードコンシェルジュ講座」を修了。
一般社団法人ソーシャルプロダクツ普及推進協会が主催する「ソーシャルプロダクツ・アワード」(今年度6周年)に第1回から審査員で参加。