ESD推進において、若者の必要性について多方面から語られるが、その期待がよくわからない。若者の立ち位置・役割とは。
去る11月26日、東京にてESD推進ネットワーク全国フォーラム2016が開催された。フォーラムには、北は北海道から南は沖縄まで全国各地、そして海外から180名を超える参加者が集まった。
フォーラムにおいて、国連広報センターの根本かおる氏をはじめとする登壇者から、SDGsやESD推進については、「若者」の存在の必要性に関するコメントが多く上がった。その中でも、第一部セッションにおける登壇者で、ユース世代でもある飯田貴也氏の「若い世代のネットワークは、次世代のマルチステークホルダーにつながる」というコメントが特に印象的であった。
フォーラムの第一部から、ESD推進に若者参画が求められていると感じることはできたものの、若者世代がどういう役割を担っていけばいいのか、どこまで若者は重要とされているのかについて分かりづらさを感じた。会場に訪れていた若者世代の行政関係者やNPO活動支援組織の担当者と実際に話す機会があったが、地域での活動において決定権を持つことの少ない若者の役割や動き方等似たような悩み・不安を抱えていることが分かった。
昨今、日本国内だけでなく世界レベルでの課題が山積し、課題解決に向けてのアクションプログラムが検討されている。人材育成(若者への参加支援)については、優先行動分野に位置付けられていることからも、若者の参画促進など期待を窺うことができるだけに、若者世代の「ESD推進への関わり方」や「若者世代が意思決定に参画することの重要性」について分かりやすく発信していく課題が見えてきたと感じた。
しかしながら、フォーラムにおけるディスカッションにおいて若者世代だけではなく、長年にわたってESDに携わってきた行政関係者や学識者を交えた議論が行われたこと、若者世代のESDネットワークについて確認できたことは、ESD第2ステージに向けて共に勇気を持って活動していけると再確認できる機会となった。前述した点から、今回の全国フォーラムは、課題と成果、展望を確認できる有意義な場になったのではないかと思われる。
終わりに、全国各地でそれぞれの地域にて、ESD実践に取り組む方々と話をして、ESD推進においては、様々な立場の人が交わり合いながら「創発マインド」が涵養されつつ、自律的な活動が行われ、それを継続・発展させていく必要があると感じた。筆者としては、社会人ユースESDレポーターとして、より多くの活動を発信し、ESD推進に貢献していきたいものである。